「おめでとう!」が言えるまで……
「あぁ〜、なんであんな言い方しちゃったんだろう……」母からの電話を切った途端、後悔が押し寄せてきた。母はきっと、喜んでほしかったはずなのに。いつもこうなんだよな、僕は……。
「あぁ〜、なんであんな言い方しちゃったんだろう……」母からの電話を切った途端、後悔が押し寄せてきた。母はきっと、喜んでほしかったはずなのに。いつもこうなんだよな、僕は……。
「絶対に6A病棟に入院する!」抗がん剤治療で、2度目の入院をすることになった。私は、「日程」ではなく「病棟指定」だけを強く強く希望した。普通なら、入院なんてしたくない。けれど、私は入院することが楽しみにすらなっていた。それは、あ
「早く死なないかな・・・」心の中でも、絶対に言ってはいけない一言。けれど、そう願わずにはいられないほど、私は疲れきっていた。父の介護をしているうちに、私は父の死を願う最低な人間になっていた。介護を始めたきっかけは、8年前の父のある一言だった。